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「砂の器」:重厚な名作 [映画・TV・美術・文学の話題]

すっかり書くのを忘れているが、先月
日本映画の名作「砂の器」(1974)を観てきた。
Yahoo!映画の評点は4.3で、名作間違いないよね。

原作は学生時代に読んだ記憶があり、
何度もドラマ化されているのだが、
もうすっかり忘れていて、
ダウンロードした電子書籍も読み切らぬまま
具体的な知識はほぼゼロで鑑賞してきた。

私は、有名な「カメダ」の謎解きなどから
推理ドラマだと思っていたので
もらったチラシに
「本作の犯人である○○○○は」という文章に驚愕!
犯人の名前を先に書いたら、
アカンやろっ!


しかし、映画を観て、
その理由もわかった。
この映画って、推理ドラマじゃなかったんだ。

ハンセン病という
重い宿命を背負って生きている父と
その父の宿命から逃れようとする子供の
人間ドラマなんだ。

犯人がこの人、とわかっていても
なお、まったく興味をそがれず
重厚な作りに引きこまれて、最後は涙、だった。


このあたり、水上勉の「飢餓海峡」を
彷彿とさせる。

また人間ドラマでありつつ
映画音楽の壮大さも見どころの一つ。

今では、
ハンセン病は治る病気というのは常識だが、
当時はあれほどの差別があったのか。
そのため、差別を受けた子は
このままではどうしようもないと思い、
戸籍の改竄を思いつく。

すなわち、大阪の大空襲で戸籍がすべて焼失したので
その原簿を復活させる際には
本人の申し出で戸籍を作ったのだ。
案外、頻繁にあったのではないか。

つまり、現代の私たちは
ある意味、実感なしにみている事柄も
昭和40年代の観客には
身近に迫って、他人事とは思えぬ演出もあっただろう。

また、一点、
これは腑に落ちぬ、という点は
三木巡査が、成長した子・本浦秀夫を
映画館にたまたまあった写真1枚で
「あ、この人はあの子だ」と見抜いて
会いに行くという設定。

本浦は、前述のとおり戸籍を改竄して
今は和賀英良と名乗っており、
「見破られてはまずい」
と三木を殺害するのだが、
6歳の子供が30歳過ぎた成人になれば
顔など激変してしまうんじゃない?
これは、ちょっと無理な設定かも。


それはさておき、
丹波哲郎と森田健作、そして加藤剛の若さに驚きつつ
(森田健作って、そういえば俳優だったんだ)
また加藤嘉の渋い演技に泣かされて
見ごたえのある1本だった。

映画館ではなかなか見られないので
テレビ放映になったら、ぜひ。★★★★★


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